探求型教育について大人目線と子ども目線でそれぞれ考えよう
最近注目されている探求型教育。実践面のの課題や理想状況は・・・?
《阿部》探求型教育に関わること、どんなことを普段していますか?
《阿部》探求型教育の定義ってなんでしょう?
《中村》物事を、概念的に捉えて、その興味から、多面的に自分で探っていく学習のことをさすのだと思います。
例)毎日、白ご飯を食べる→白ご飯ってもともとお米で出来ている→お米ってどうやって出来るの?どこから来たの?いつから食べられているの?どんな成分?
このような子どもの視点で興味を生み出せるように促していくこと。
《阿部》そうですね。私もそう思います。
気になる点として、大人が用意するモノと、子どもの受け取り方に乖離がある場合があるということですね。
例えば、大人が留学の機会、他校生徒との交流の機会を設けたとすると、
大人目線の考え方だと「他校の生徒とプロジェクトを遂行したことが探求」と定義しがちなんですが、実は子ども目線で考えると、そのプロジェクトを遂行する手前が探求ポイントになっているんですね。
他校の生徒や留学先の生徒との交流で、自分と違う環境にいる人との違いを発見・認識すること!
(喋り方が違うな〜、この環境に慣れているんだな〜、とかそれ自体に興味があるorない等)
このように大人が意図したモノの手前に子どもの成果物があったりします。
大人は機会を与えることはできるけど、与えた上で本人たちの気づきをきちんとhearingしておかないと、意味をなさない。
《中村》なるほど。大ごとである必要はなくて、とても身近な小さなことに対して、子どもたちが、自分の感情の発見をするなど、子どもの目線レベルで考える「価値あるもの」を提供してあげることが大事なんですね。
《阿部》そう、小さな発見・気づきがあれば、それが探求した成果物です。
《中村》大人がゴールを設けてしまうことは、実際ありがちなんじゃないかなと思います。
探求で何が大事かって言うと、なるべく用意されるものが少ない状態で、子どもがその幅を広げる主役になること。
何に焦点を当てるかは子どもによって違うし、そこに個性が現れるものです。
探求型教育は、子どもと大人のコミュニケーション、言葉のキャッチボールの中で成り立つものでもあると思います。 子どもがどう感じ、その反応をみて、大人がどう導くか。何が正解かわからないからこそ、子どもと会話して初めて生まれる成果物があるんです。
プロジェクトの遂行は、探求型教育とは被るところもあるようで、また別の目的を持ちますよね~。
ちなみに探求型学習の目的とは何かというと・・・?
思考力・判断力・主体性を育てる・物事を多面的に見るなどがあたりますよね。
《阿部》探求型教育に関して、コンテンツはなんでもいいと思うんですよ。
言ってしまえば、社会人の在り方もそうですが、大人はみんな探求をしているんです。なので、探求型教育というのは「社会との接続をスムーズにすること」が目的になるはず。
プロジェクトの遂行は社会で必ず必要になることです。大人も自己理解・物事を探求しながら、社会で生き行くものですから、大人にも探求力はつきもので、子どもの課題と等しいのです。 大人が社会でやらないことは、探求型学習ではないと言えますね。
思考力 判断力 主体性・・・
これらは、学習指導要領にもあがっている内容ですが、大人にとって必要なことと子どもにとって必要なことは共通しています。
リカレント教育はキャリアに直結する学び直しの場であり、この教育の感覚を子ども教育に反映させてもいい。
この点について、さゆりさんは、どうでしょう?
《中村》おおむね共感です! 課題は、それらを具体的にどうやって教育の中で養うのかですよね。 学校の外では、スクール・塾などでも探求型教育が行われているのに、なんで学校で十分にできないねん!と思うところはありますね。笑
評価の難しいものですが・・・
親も先生も目に見える成果を重視してしまう傾向があるので、もっと探求に対する優先順位をあげる・探求の必要性を社会に浸透させていきたい。
学校外にちょっとずつは増えているけど、もっと各家族・先生が必要性を感じた上で、行動を起こして欲しい。
目の前のわかりやすい成果、受験、点数というもの以前に、、
探求型教育に関するまとめ
- コンテンツは広く大人が用意するが、本当に探求できているかは子ども目線で確認しなければならない。
- 大人目線で正解・ゴールを明確に決めること、何をどのように探求したのかのプロセスを柔軟に評価する。そして社会につなげる。
- 探求型教育の背景は、社会的ニーズ。その必要性や価値を学校や保護者がさらに深く認識して、教育に反映していく。
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見える力(認知能力)と見えない力(非認知能力)について(探求型教育についてさらに深く見ていこう!)
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