学校の外からキャリア教育を考える

数学教師からITベンチャーに入社したあべべと、3000人以上の進路カウンセリング経験を持つさゆぺくが、これからの時代の高校生のキャリア教育について対談し、考えを発信していきます!

学生の進路意識の高まるポイントを考えてみました

生徒の言動から見る進路意識について

no-img2

《阿部》今まで生徒さんのどんな言動を見て来ました?ありました?

no-img2

《中村》前回の対談でも話題に上がった、何が好きなのか?って聞いて...何がしたいかわからないという言葉はありますね。実際に興味はあるはずなんですけどね。

《阿部》言動・・・学校や塾では、消極的な子が多いかな? という印象ですかね

《中村》消極的とは例えばどんな…?

《阿部》直近の入試やテストに対しても、とりあえず行きたいところに向けて教科を頑張る。
なりたい職業がわからない。調べもしない。職業に対して、自分ができるとは思っていない。
→原因:情報へのアクセスの仕方がわからないことだと感じます。

一番、情報として落とし込みやすいのは、卒業生を呼んだり、プロを呼んだりして、直接生の話を聞くことだと思いますね。
講演会・外のイベントに行かせても「自分とは別の世界の人」という感覚を持つ。「この人だからできたことなんだろう」という印象になってしまう傾向がある。

《中村》なるほど。逆に、「私絶対これになりたい!」と進路を固めている生徒さんもいますよね。そういった生徒さんの言動としては、
「昔病院で優しくしてもらたり、お世話になった経験から看護師に憧れました」というエピソードは非常によく聞きます。
「悩んでいた時に、心理カウンセラーの人にとてもよく話を聞いてもあったから、私も心理カウンセラーになりたい」など。
同じような志望理由を口にする生徒が多い印象ですね。

・実際にその人を見て来たから
・サポートしてもらったから
共通してるのは、実際にその人と関わりがあったから

《阿部》さっきの僕の話と共通する点がありますね。生身のプロを実際に見るという。

《中村》give & takeで言う、take が多い分、自分が憧れる可能性は高まるのかもしれないですよね。
つまり「自分事」として受け入れられる経験がkeyですね。

《阿部》医療やカウンセリングは、自分が実際にその人からtakeする経験があるけれど、

他に興味を持つものとして、webデザイナーとかはどうでしょう?
webデザイナー
 ①街でデザインを見かけた、心が動いたなどの経験
 ②自分も実際に作ってみた→評価された→自分ごとと捉えられる。

多少、やってみたという経験があると、自分でも感謝されるんじゃないか、できるんじゃないかというイメージがつく。

《中村》それでいくと、ただ体験させただけでいいのか?という問題もありますよね。職業体験が意味をなすかという問題…。

《阿部》その為に彼らの中に情報が入りやすいような、大事にしているもの・価値観を聞いておく 洗い出しておく 浮かせておく は大切ですよね。

《中村》価値観を探っておく。そうですね。

他の言動について、「興味はたくさんあるけど、全部分野がバラバラで…。絞れない。絞らなきゃ!
という生徒さんもいましたね。必ずしも絞る必要もないんじゃないかと思うこともありますが。

《阿部》じゃあそういった意識の生徒さんを、どういう風に進路決定に導きますか?

《中村》①興味のあることをたくさん洗い出してもらう。そして、興味のポイントを分野から具体的な行動部分まで深めて、共通項、軸を探る。
動物を治療してあげる?保護する?世話する?などという風にだんだんと軸が見つかる。
②経験・出来事と感情を聞く。
実際に対面で話を聞いたら温度感も伝わり、そこも探る手立てになる。

どういう満足を得たいのか。行動内容まで深める。共通点を見つけられたら、俯瞰し直す。
働き方として、複数あってもいい。一部を趣味にしてもいい。
「一般的」に囚われる必要はないということを伝えたい。

《阿部》僕も同じような生徒さんと出会いました。
その生徒さんは、最初は獣医だったけど、よくよく聞いていくと、動物が好き、触れ合いたいということだったので、トリマーを選択することになりました。
その子が成績もよかったから、動物系で学力が必要になるものを考えると、獣医がはじめに上がってきたんです。でも本当に本人が大事にしたい在り方は、動物に触れ合いたいのほうだったんですね。

《中村》あ〜確かに成績が良くて、動物が好きなら、獣医を勧める大人の視点ってありますよね。

まとめ

  • 偏差値軸(大学入試をゴールとする)での整理はあと。
  • 価値観を整理して、共通要素を見出し、行動レベルに落とし込む。
  • takeからgiveしたくなるような価値観への訴えかけ(takeの体験:このデザインかっこいいなー)、体験を適宜提供(giveの体験:自分でもデザイン作れる!)できるといいかも

《中村》良い意味で心が動くだけでなく、ネガティブな感情を持った経験を振り返ることも、自分の価値観を知るきっかけになる!例えば、ショックな感情や現状を変えなきゃというと憤り。負のtake(ショック、怒り、憤り)から熱量が生まれ、自分発信の社会貢献、課題解決へ。

こちらも更新しています。よろしくお願いいたします。